帝京大学医学部2期生 柔道部です。
私は昭和54年(1975年)卒業、2期生の安部良(あべりょう)と申します。学生時代は、柔道部で主将をやっていました。在学中は、1期生に東医体個人戦の決勝戦常連である上村神一郎先輩がおられていて、団体戦でも善戦した記憶があります。医学部創成期は先生方も学生も一癖も二癖もある人が多く、活気に満ちた大学生活でしたが、その辺は、おいおい、お話ししようと思っています。現在は、昨年3月に発足した先端総合研究機構の特任教授で、加賀中学の隣にできた真っ新の先端総合研究機構研究棟の3階にいます。
免疫学を専門にしています。
本職は免疫学者です。
私は卒業後、杉並区の河北病院(現在の河北総合病院)で内科医をしていましたが、紆余曲折を経て、東大の大学院で免疫学を専攻し、卒業後、医学部免疫学教室の助手を務めた後に、1985年にアメリカの国立衛生研究所、National Institutes of Health(NIH)にポスドクとして留学、その後、NIHの研究員を経て、米国海軍医学研究所、Naval Medical Research Institute(NMRI)の免疫部長と付属の医学部、Uniformed Services University of the Health Scienceの内科学・病理学の准教授として研究室を持ちました。その間、子供も3人生まれ、永住権(グリーンカード)も取得して、アメリカで骨を埋めるはずだったのですが、ある日、大学院の恩師から電話が入り、東大退官後に東京理科大学に当時、日本で初めての免疫学に特化した研究所を作るので帰ってくるようお話をいただき、12年間のアメリカ生活に終止符を打ち、家族で帰国することになりました。その後、23年間にわたり、東京理科大学の生命医科学研究所で研究を続け、薬学部や大学院での教育に携わるなどしたのち、4年前に、冲永理事長からお声がけいただき、帝京大学の研究力の強化をお手伝いするということで、45年ぶりに母校に帰ってきました。ここにたどり着くまでの50年間の軌跡は、医学部同窓会誌、平成30年16号に書いたものを読んでください。(文末にPDF添付します)
帝京大学医学部を縁の下から支えます。
先端総合研究機構では、東京理科大学や国立がん研究センター、東大、京都府立医大などと共同で免疫制御機構に関する基礎研究やがんの免疫療法、ワクチン開発などの研究を行っています。また、先端総合研究機構の健康科学研究部門に医学部や薬学部の研究者と共に、「先進的医科学研究グループ」をつくり(卒業生の血液内科の田代先生、白崎先生もメンバー)、「健康長寿社会の実現」のための現代医療の様々な課題を打破する革新的基礎研究の推進とその臨床への展開をテーマに据えて、学内の横断的な医学研究体制の構築や、若手研究者の育成を目指した活動を始めています。医学研究科の特任教授も兼任しているので、腫瘍内科学、臨床倫理、感染症学、研究倫理などで講義もしています。
その他にも、八王子キャンパス(見違えるように整備されています。是非、一度行ってください!)で、ライフサイエンスと人間学基礎セミナーの通年講義を持っています。前者は、ビッグバンによる宇宙誕生、人類史等を交えたビッグヒストリー的視点含め、健康、医療、生命・医療倫理などについての講義をしています。後者は、脳科学、動物行動学、心理学、経済・政治・文化、そしてデータサイエンス、AI等について、それぞれの専門家によるオムニバス講義を開講していて好評を得ています。
趣味。
柔道はアメリカでコーチをしたり、帰国後も理科大でも稽古をしていたのですが、理科大時代に、怪我をすると実験などの研究指導や論文書きに支障がでるということで、学生から禁止されて足を洗いました。現在の課外活動は、もっぱら音楽、バイオリン演奏です。3年前から日本アマチュア演奏家協会(APA)に所属し、今年の1月にはブラームスのピアノ4重奏曲、弦楽6重奏曲などを発表会で弾きました、現在は、モーツアルトのピアノ4重奏曲、シューベルトのピアノ5重奏曲「鱒」などを7月の演奏会に向けて練習中です。また、自宅のある千葉県流山市の市民オーケストラ、流山フィルハーモニー管弦楽団にも所属していて、6月にベートーベンの「田園」交響曲、シューベルト交響曲第6番の演奏の練習をしています。これに関しては、2月の末にADC研(麻酔科)の河内先生から「帝京大学板橋交響楽団創立記念演奏会」にヒトが足りないので練習に参加してくれといわれ、本番の3日前に行ってみたら、「先生は同窓生なのだから団員ですので、団費1万2千円」といわれて団員になってしまいました。主力は薬学部と看護科の学生と職員のようですが、団長は医学部の学生です。吹奏楽の経験者が多いようで管楽器はなかなか充実しています。興味のある人は是非。因みに、近いうちに練習用の楽器を研究室に持ってこようと思っていますので、室内楽に興味のある人はどうぞ!!!
だれでもWelcomeです!!
4年前にこちらに赴任してきた当初から、皆さんに会えることを楽しみにしていました。また、長く、母校から離れていた身にとって、世間の大学に対する不当な評価には忸怩たる思いを抱いてきました。今回、TMAS-Cの立ち上げに関しては、理事長や常務理事も大変喜んでいて、様々な形でのサポートをしてくださると思います。とはいうものの、こういうことは、学生も含めて、みんなで手作りで作っていくことに意義があり、また、長く続くものだと思います。
帝京大学の人達は、決して他大学に劣らない能力とガッツを持ちあわせています。臨床、教育、研究、会議、学会活動で皆さんお忙しいでしょうが、皆で帝京大学を盛り上げられるよう、楽しく、ワイワイとやっていきましょう。
略歴
1978年3月 帝京大学医学部 卒業
1978年4月~1985年 河北総合病院内科医師(非常勤も含む)
1979年4月~1983年 東京大学大学院医学研究科第三基礎医学免疫学専攻 医学博士
1983年4月~1985年 東京大学助手(医学部免疫学教室)
1985年1月~1988年 米国国立衛生研究所(NIH)、国立がん研究所(NCI)、免疫部門 Postdoctoral Fellow
1988年1月~1992年 米国国立衛生研究所(NIH)、国立がん研究所(NCI)、免疫部門 Investigator
1993年1月~2004年 米国国立衛生研究所(NIH)、国立がん研究所(NCI)、免疫部門 Visiting Researcher
1993年1月~1997年 米国国立海軍医学研究所免疫細胞生物学部門免疫部部長
1993年1月~1997年 Uniformed Services University of the Health Science 医学部准教授(内科学、病理学)
1995年4月~2018年 東京理科大学生命科学研究所 免疫生物学研究部門 教授
2006年4月~2011年 東京理科大学薬学部教授
2007年1月~2016年 東京理科大学生命医科学研究所 所長
2007年4月~2016年 東京理科大学生命科学研究科 研究科長
2009年4月~2013年 東京理科大学がん医療基盤科学技術研究センター センター長
2012年1月~2016年 東京理科大学理事
2014年4月~2021年 早稲田大学非常勤講師
2018年4月~現在 東京理科大学名誉教授
2018年4月~2021年 帝京大学戦略的イノベーション研究センター特任教授
2019年4月~現在 帝京大学アジア国際感染症制御研究所(ADC)特任教授
2020年4月~現在 帝京大学医学研究科器官系統病理学分野特任教授
2021年4月~現在 帝京大学先端総合研究機構特任教授
筆頭、共著あわせて論文188編。
教科書や図書、テレビ出演多数。
免疫学のスペシャリストです!!