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第2回 学生座談会企画

医学部生が実際に臨床現場で働いている先生方にお話を聞く企画

マッチングや病院選びなどの経験談をzoomにて座談会形式で伺いました!

 

2回目は、外部の市中病院で初期研修医2年目として働いている3人の先生方にお話を伺いました。

お話しいただいた先生方

櫛田 舜史 先生

2022年度卒 

初期研修:板橋中央総合病院

大島 まや 先生

 2022年度卒 

初期研修:松戸市総合医療センター

小出 温 先生

 2022年度卒 

初期研修:長野市民病院



早速ですが、先生方は研修先として外部病院を選ばれたということですが、研修先を選ぶ基準や決め手はどのようなことだったのでしょうか?

 

櫛田:僕は手技ができる病院で、かつ救急の現場で緊急性のある患者を診て適切な治療ができるようになりたいと考えていたので、そのような経験ができる病院を探していました。

 

大島:私は千葉県の奨学金をもらっていた関係がありまして、千葉県内で研修病院を探していました。また、学生時代から救急医療に興味があり、ACLS研究会に大学1年生から入っていて、将来的にどの科に進むにしても自分の患者さんが急変した時に最低限の救命処置ができるようになりたいと思っていたので、3次救急がある病院を探しました。かつ、将来の診療科がはっきり決まっていなかったので、内科系も外科系も診療科が揃っていて、ある程度病床数が多く、産婦人科と小児科が院内にある病院を探しました。そうなると千葉県では病院が結構絞られてくるので、その中で見学して一番雰囲気が自分に合っていそうなところから選んで、今の病院にマッチしました。

 

小出:私の場合は元々地元に戻りたくてその範囲で決めたんだけれど、やっぱりアドバイスとすると自分の中で譲れないものみたいな、ここはしっかりしていて欲しいって求めるところを1つ決めておくといいかなって思います。例えば福利厚生ならそれでもいいし、お給料は絶対これ以上欲しいとかでもいいし、もしくは救急をちゃんと診れるようになりたいとか。あとは見学に行った時の担当の事務さんが、多分臨床研修の担当者になると思うので、きちんと対応してくれる事務さんがいるところの方がいいかなと思います。やっぱりできる事務さんは、自分が研修医になった時もスケジュール組んでくれたり、それが上手いってことで。メールのやりとりがグダグダだったりするような人は、言うとあれだけど、あんまり仕事ができない人の可能性が高いから、自分が勤めた時に被害を被る可能性がある。なので、ちゃんとした人がいるっていうのは大きいかなと思ってます。

 

病院見学先はどのように絞られましたか?

 

櫛田:僕はハイパー系の病院を探していたので、その条件でレジナビなどのサイトを使って病院を検索して、最初に出てきたのが今働いている板橋中央総合病院でした。帝京大学からも近いし一旦見学に行ってみて、そこで対応してくださった先生に、こんな病院を探していますとお話ししたところ、他の病院を紹介してもらえたりしていました。最近は早くから病院見学に行く方もいると思うけど、まだ行ってない方もまず気になる病院に行ってみて、そこで相談して紹介してもらうというのもありなのかなと僕は思います。

 

大島:私は、千葉県が毎年初期研修ガイドブックみたいなオリジナルの冊子を発行していて、県内の研修病院一覧、診療科、病床数などが一覧になっているので、その中から私が探している条件に合っている病院をピックアップしていました。ただ、先ほど申し上げた通り千葉県で3次救急だと限られてしまって、ピックアップした病院が全て本命のような感じだったので、お作法なども分からなくて緊張する初めての病院見学は、練習でどこか手軽なところに行ってみようと思って、ある程度研修医に人気のあるような中規模の市中病院で、大学の先輩が働いていたところに行ってみました。近隣病院の力関係とか、病院ごとの特色とかは実際働いている方がよく知っているので、櫛田君と同じですが見学先で探している病院について聞くことはすごくいいと思います。あとは、本命の病院に見学に行った時、大体病院見学では研修医の先生について一日病院を回ることになると思うんですけど、その先生方は自分と同じような病院の好みを持った先輩な訳ですよね。なので、その病院の研修医の先生に、他の病院はどこと迷いましたか、だったり、どこに出願されましたか、と聞いてみるのもおすすめです。元々私も松戸をそんなに考えてなかったんですけど、見学先の研修医の先生が第一希望は松戸だったとおっしゃっていて、興味をもって見学に行ったらドンピシャだったという次第なので、人に聞いてみるのはいいと思います。特に地方に行く人は、具体的な病院のバランスを見るには人に聞くのが一番早いと思います。

 

病院見学ではどのような点を重視して見学されましたか?

 

櫛田:上級医が研修医にどのように指導しているか。あと僕が最も見ていたのは、救急の現場での研修医1年目と2年目の仕事の違いです。そこを見ることで、その病院で研修することでどのくらい成長できるのかの指標にしていました。病院見学は午前に総合診療科、午後に救外を見ることが多かったです。救外で2年目から1年目に指導する体制はどうかをみていました。鑑別の挙げ方とか、1年目と2年目で全然違うと思うので。2年目の先輩が指導するってことは、その先輩たちも去年1つ上の先輩から指導された経験があるってことなので、指導体制が整ってるってことだと思います。なので僕は救急外来での見学は結構大事にしていました。救急外来で1件だけでもいいから症例を覚えて、その時に研修医がこういう風に考えていて、っていうのを面接の時に発表できると、面接官の方も「この子はきちんと病院見学して見てくれていたんだ」という印象を植え付けることができて好印象を持たれると思うので、病院見学の際は心がけるといいと思います。

 

 大島:そこにいる人達の雰囲気は大事にしていました。市中病院で3次救急の病院は結構野戦病院のような忙しいところが多いんですね。そのような環境の中で、上級医と研修医がコミュニケーションエラーが起きにくいような良好な関係性を作れていそうか、気軽に質問できていそうか、などの距離感は見ていました。また、地域性もあると思うので自分の居心地がいいか。あとは、忙しすぎて担当症例の勉強ができないような病院はやめようと思っていて、働いている方の顔色も見ていました。

 

 

マッチングに向けてどのような動きをされたか教えてください。

 

櫛田:小論文がある病院が多いかなと思うのですが、キャリアサポートセンターで小論文とか履歴書の添削をしてくれるので、そこで見てもらったりとか。あとは書いてみたものを同期に見せて訂正してもらいつつ、先輩や実習でお世話になる先生にも見てもらったり。色んな人に見てもらうのが大事だと思います。面接に関しても、慣れが必要なので、まず同期同士で練習したりしていました。面接で聞かれることって病院によって多少違うけど本筋は一緒なので、一般的な面接の質問に対する回答は考えてみる。これもキャリアサポートセンターが何度か見てくれると思います。

 

大島:面接が終わって、実際に出願して試験を受けるとなった時に恐らく難関になる要素がいくつかあって。市中病院だと願書が手書きで、とってもロングな志望動機を書かされるところがあります。うちの病院も、理想の医師像、医学部志望動機、学生時代に力を入れていたこと、どんな研修にしたいか、とか込みでA4の用紙34枚くらい手書きで文章かけみたいな感じで。そのような履歴書などの書面の準備が難しいというのがあります。あと、就職関連のマナーとか、就活を実際やってみないと分からない。郵送する時には添え状を作って宛先を書いて、同封した書類の内容を記載した表紙みたいなものを封筒に入れなきゃいけない、とか。簡易書留って書いて四角で囲って、とか。そういうお作法のようなところが時間がかかったりして意外とストレスになります。あとは実際に面接で知らない人達に囲まれていつも通りの自分を出して喋るのが難しい。筆記試験のある病院もありますが、帝京の夏の1回目の卒試の時期とマッチングの筆記試験の時期がものすごく被るんですね。そのような時間のマネジメントや勉強のペース配分が難しいということもネックになるかなと思います。医師志望動機、理想の医師像、なぜ当院を志望したか、とか履歴書に書く内容と面接で聞かれる内容は半分くらい共通していて、かつ選ぶ病院も似通ってくるのでそれも全部共通なんですよね。病院によって書かなきゃいけない文章の行数が違うくらいなので、私はコアになる文章を作っておいて、病院の用紙の行数に合わせて調整して使い回してました。お作法の部分はキャリアサポートセンターが教えてくれるので、履歴書の文面チェックとお作法のところはお世話になるのがいいかと思います。面接の練習は、同期とやっちゃうとスイッチが切れると普段の会話に戻っちゃうので、ほんとに面接が苦手な人は同期とやった方がいいけど、そこそこ内容が固まった人は先生に頼んでみるとかもいいかもしれないですね。結局病院でも面接官はその病院のお医者さんなので、機嫌悪い時のお医者さんの感じに慣れとく、みたいな(笑)予防接種的に。私は学生の時に学年代表をやっていて、3年生くらいの時から学内の会議に出まくっていたので、あまり喋るのに緊張する方ではなくて、得意なのは分かってたので特段対策はしなかったんですが。1つコツがあるとすれば、喋り方ってテクニックなので、意図的にゆっくりちょっと声を低くして自信がありそうに喋るとか。人に自分の話を聞かせたい時の喋り方のコツみたいなものが恐らくあるので、余裕がある人は練習してみるのもいいかなと思います。

 

小出:まやさん(大島先生)が行こうとしていた病院みたいに面接とか試験とかちゃんとしてるようなところは対策が必要だと思うんだけど、私のところは事前に自分の性格とかについてのレポートみたいなものを書いて面接するだけの緩い病院だったから、ガチガチの対策ではなかったけど、逆質問に備えておくとか。例えば一通り面接が終わった後に学生さんの方から質問ありますか、みたいなことを聞かれたときに言いよどんじゃったりすると気まずくなっちゃうから。ネットで一般的に聞かれそうな質問とか調べたりできるので、その辺りはよどみなく答えられるようにしておいた方がいいかなと思います。

 

マッチングの試験と卒業試験の勉強をどのように両立されていましたか。

 

櫛田:結構ドンピシャで被っていて、大体7月にマッチングが行われるんですけど8月の上旬に第1回の卒試があって僕は絶望してたんですけど。ずっと勉強し続けるのも大変なので集中力が切れた時にマッチングの準備をしたりとか。僕は何人かで集まって大学で勉強していたので、時間を決めて勉強して、休憩時間に面接の練習をするといったようにしてましたね。基本的にベースは卒試、国試の勉強をして、空き時間にマッチング対策をするという風にしてました。

 

大島:うちの病院は真面目系研修医が多くて、結構しっかりした筆記試験がマークタイプであるところで、難しい問題もあって、実は小出さんに助けてって言って一緒に考えてもらったりとかしてたんですけど(笑)。基本的にどこの病院もよっぽどひねくれてるところじゃなければ出るのは国試の類問か、例年同じような問題が出るかどっちかで、うちの病院はその比率が国試7割、誰が解いても解けないような専門的な問題が一定数出るといった感じで。歴代の真面目な研修医が、自分が受けた採用試験の思い出しを作るという不思議な文化があって、見学に行った時に皆こっそりそれをもらうんですね。それを数年分解いて準備してから受けるっていうのが慣例になっていました。ただ、多分私立大学の特権として、卒業試験の1回目が早いのと、しっかりした卒業試験でかつ51月の総合試験で国試の範囲が出題されるので、それまでにQB1周目問題をざっと解いておくとか一般的な準備をしていた人は、夏の時点である程度できているかなと思います。特段過去問をゴリゴリにやりこんだというよりは卒試に向けて勉強して、ちょっとプラスαで過去問見た、くらいの感じでした。

 

小出:もう2人が完璧なことを言ってくれてたから付け加えることがあんまり無いけど(笑)。卒試も国試も類似した問題が出るし、卒試に関しては過去問をやっておくのと、直前講義があるからそれを聞いてればどうにかなることが多いかな。あとはもう、ほんとに国試の勉強をひたすらやって、皆と大きく外れてペースが遅れるとかいうことが無ければ合格できると思う。それこそ国家試験も、もっと繰り返し過去問やっとけばよかったなって後々皆思うことになるから。早めにやり始めたら多分病院の試験も卒業試験もそこまで困らないのかなと思います。

 

大島:補足すると小出さんはうちの学年の主席の卒業の方なので、普通に勉強していれば大丈夫はあんまり当てにならない(笑)。それが櫛田君の困った顔の言いたいことだと思う(笑)。

 

櫛田:おっしゃる通りで(笑)。

 

大島:そうなんですけど(笑)。これまでの積み重ねって結構6年生になると差が出てくると思うんですね。4年生のCBTが終わってから実習をゆるゆるやっていた人と比べて、自分が経験したケースをちゃんと勉強した人とか、クルズスの内容をちゃんと覚えていたとか、そういうことが後々効いてくるんじゃないかという気がしていて。卒試直前講義を受ければ大丈夫っていうのも、先生が大事だよって言うことを理解できる背景知識があれば大丈夫みたいなところが大きいので、これまでの貯金が少ない人は5年生からしっかり勉強で稼ぎにいかないといけない。逆に貯金のある人は一定のペースで勉強すれば恐らく試験も問題ないであろうと思われます。貯金が無い人が結構ゴリゴリに試験のある病院を受けるとなったら、6年の夏までにちゃんと過去問やらないと厳しいかなっていうのはあるので。まず個々人の現状を模試とかで見るというのも大事かなと思います。5年の間は実習メインでいいと思う。その時回っている科の勉強をして基本的なことは分かるようにして、興味をもって実習に取り組むのがおすすめです。

 

マッチングに向けて見学した病院、出願した病院はいくつくらいでしたか?また、見学の際に意識したことがあれば教えてください。

 

櫛田:見学は全部市中病院で、6病院です。出願は4病院です。基本的には2回見学に行くようにしました。でも第一志望は人気病院だったので1回しか行けませんでした。受ける病院は5年生で1回、6年生で1回行くといいと思います。6年生で見学に行くと、来年一緒に働く研修医の雰囲気が分かるのでオススメです。

 

大島:見学は6病院行きました。その中から出願したのは3病院です。本命の市中病院の倍率が高かったので、万が一マッチングで落ちてもたすき掛けでそこに行けるように千葉大学附属病院も出願しました。私はスケジュール管理が苦手で時間的余裕もなかったので、どこも1回ずつしか見学には行きませんでした。でもハーフの医学生は少なく顔を覚えてもらいやすいだろうという慢心もありました(笑)。でも私は特殊ケースなので、受ける病院は2回見学に行くべきという櫛田くんのアドバイスはその通りだと思います。

 

小出:皆すごいちゃんと見学に行っていてびっくりしました(笑)。私は見学に3病院行きました。そのうちの1病院は6年生の外部実習を出来る期間に行きました。他は2回ずつ行きました。2回は行った方が顔を覚えてもらいやすいと思います。外病院実習で同じ病院に1か月いると、いいところも悪いところもみえます。

 

研修先に選んで良かったこと、衝撃的だったことは何ですか?

 

櫛田:僕の病院は忙しい科とそうでない科がはっきりしていて波があるので、プライベートの時間も取りやすいです。研修医も体育会系のノリの人が多いですが、やる気はあって勉強熱心な人ばかりです。今日はもう皆帰っちゃったんですけど、夜遅くまで残って勉強して、「ここはこうらしいんよ」と学んだことを共有したりします。衝撃的だったことは、脳神経外科の時、ICUの患者さんを持たせてもらったんですけど、上級医の先生が結構熱い男で、ずっと病院にいるような人で、僕もずっと先生と行動を共にしていて、4日間くらい病院に泊まり込みをしたことです。コンビニとマックで生活していました。今は働き方改革が進んだので難しいと思いますが(笑)

 

大島:この3人の病院は、忙しさは同級生の中でも中の上以上だと思います。そういう病院を志望して入ってくる人は、大学時代はどちらかというと少数派だった、やる気あって真面目な人が9割となるので周りの人の雰囲気がガラッと変わったと感じます。周りが勉強しているのを見ると必然的に自分も勉強するし、助け合いの意識が強くなりました。救急外来も1年やっていると周りのスタッフさんと連携がとれるようになってきて、一人だとできるか怪しいことも後輩に危なっかしくも指導できるレベルには到達できたと思うので、何かにトライできる環境に身を置けたのは正解でした。

 衝撃的だったことは、研修医の仕事は泥臭いことが多いことです。病棟内を駆けずり回る業務とか。結局私たちが独断で何かできるわけではないので、こっちの科とこっちの科の方針の違いで身動きが取れなくて何も進まないとか。最初はもちろん教えてもらえるんだけれど、周りは医者として扱ってくるので、研修医になって右も左も分からない状態でそれでも指示を出さないといけない、小さな決定のタスクが多いのが大変でした。1年目の4,5月で辛かったのは小さな決定のタスクがどんどん蓄積してきて、いつでも聞ける先生が周りにいる訳じゃないし、だから患者さんに被害が及ぶようなことでもないけれど、「医者って決める仕事なのだな」と学生時代に想像していなかった大変さがありました。あとは、病院の立地によって患者さんの雰囲気が違うというのは知っておいた方がいいと思います。特に救急外来にくる患者さんは病院・地域ごとに異なるので、病院見学の際にみておくといいです。

 

小出:私は二人みたいなハイパー病院ではないけれど、良かったのは、救急が色々経験できることかな。帽状腱膜まで切れているような頭の外傷でも縫っていいし、縫っていいというか誰もいないから研修医が縫うのだけれど(笑)。あとは骨折を一人で処置したりとか。もちろん後で上級医のチェックはもらうけれど。人手が足らな過ぎて何でも一人でやるようになるし、あとは怒鳴り込んできたり暴れている患者も、夜中に女一人でも対応しなきゃいけないから、度胸がついたのは良かったと思う。

 衝撃的だったのは、うちはハイパー病院ではないはずなんだけど脳筋病院ではあったんだよね。うちはオリエンテーションが3日で終わって4日目から病棟勤務が始まるのだれけど、1か月もしないうちに一人で当直に入らなきゃいけなくなるから、独り立ちがすごく早くて。地元ではそれなりに大きな規模の病院だったから、こんな野戦病院みたいな感じなのかと入ってから気づいた。もっと手厚い指導があると思ってた。これは大島先生が言っていた「自分で決めることが多い」と似ているかもしれません。

 

面接の際に、部活以外のアピールポイントは具体的に何がありますか?

 

櫛田:学生時代に整形外科の超音波エコーに興味があり、帝京大学整形外科の笹原先生がやっていることが面白いなと感じたので、八王子のスポーツ医科学センターに見学に行ったり、様々なイベントや手技の練習会に参加しました。それを面接で言ったら「そこまで整形のこと考えてるんだ」と面接官の受けに手応えを感じた。本当になんでもいいと思うんですけど、このように部活以外のアピールポイントがあると印象に残りやすいです。「部活でキャプテンやっていた」などは割とありふれた事実なので、どのようにアピールすれば面接官に印象付けられるかを考えた方が良いと思います。

 

大島:私はキャラが濃すぎて、面接でどの話を売りにするか、どれにしようかな、みたいな感じだった(笑)。学年代表のエピソード、救急サークルのエピソード、法医学教室で解剖に通い詰めていたエピソード、父が外国人であることにまつわるエピソードなど、受ける病院ごとにその病院が好きそうなトピックを選んでいた。要するに、自分の性格に合ったキャラクターのプレゼンテーションができれば、トピックは何でもよいと思う。「私は〇〇を頑張った△△な人間なので、□□という理由であなたの病院が求める人物像に合致していますよ」というアピールをすることが重要。

 

小出:今の研修先は外科系の脳筋病院で、面接で学生時代にアカデミックなことをした話をしたらドン引かれた。大島先生の言う通り、病院に合わせるのは大事。見学で研修医の特徴や、実際に面接で聞かれたことを聞いてみたりするとよい。

 

帝京生へメッセージをお願いします。

 

櫛田:板橋中央総合病院は帝京大学から近いので、気軽に来てください。5年生の時間に余裕があるうちに、かなりハイパーな病院とかなりハイポな病院、両方の見学を行くといいと思います。卒試とマッチングの時期が被っていて大変だと思いますが、頑張ってください。

 

大島:帝京大学病院の優しい雰囲気が好き。初期研修の2年間で学んだことは医師5年目くらいまでの働きやすさや自分の能力的キャパシティに少なからず影響すると思うので、自分のライフプランに合わせてしっかり病院を選んでほしい。地域枠で奨学金を活用している学生さんは、県によっては柔軟な対応をしてくれる場合もあるので、悲観せず頑張ってほしい。外病院に研修行く人は、国立大学出身の同期に劣等感を抱くことがあるかもしれないが、初期研修のスタート地点は全員一緒なので気後れせず頑張ってほしい。

 

小出:2年間まずは生き抜くことが大事だと思います。2年間頑張れば割と自由な生き方ができるから、それを覚えておくと研修で辛い時も気が楽になるかもしれないです。外病院に出て思うのは、帝京大学病院はいい先生が多いです!

 


かがでしたか?

今回は外部病院で研修してみたいという人の参考になったのではないでしょうか。

聞いている私たちも大変参考になりました。

 ご協力いただいた3人の先生方、ありがとうございました!

今回インタビューに参加した学生から、座談会のポイントまとめ

森 裕香 (医学科5年生)

  • 見学先の病院で様々な病院の情報も集めると良い!
  • キャリアサポートセンター等、利用できるものは利用する!
  • 実習から興味を持ち、積極的に取り組むべし!
  • 帝京大学は人が良い!

井田 綾香 (医学科5年生)

  • 志望病院の見学は、5年生に1回、6年生に1回の計2回行くのがオススメ!
  • 6年生の前半は、ベースは卒試の勉強、その合間にマッチングに必要な面接や筆記試験の対策をする。
  • マッチングの面接では、病院の求める人物像に合わせた話ができるとなお良い!